子宮内膜症

子宮内膜症は生理痛・排便痛・性交痛がサイン

子宮内膜症

子宮内膜症は10人に1人ともいわれ、意外に多くの人がかかっています。

「生理痛は病気じゃない」と教わってきた人も多いと思いますが、病気が原因で生理を重くしている場合もあるのです。 良性の病気ではありますが、妊娠や出産への影響も気になります。

生理痛がつらいのは我慢が足りないのではなく、痛みが強いから。下記のような痛みがひとつでもあったら、子宮内膜症の可能性を疑って。

授かりました!

北海道札幌市 雪だるま 28歳

結婚してすぐ赤ちゃんができると思っていましたが、2年たっても一向にその兆候がなく心配になり夫婦で受診したところ、主人は精子の数が通常の5分の1ぐらいしかない事がわかりました。

おまけに私も子宮内膜症と診断されダブルショックでした。

不妊治療を受けるかどうか迷っていたとき、母からちょっとためしてみたらとマカサポートデラックスを勧められました。

夫婦でだめもとと思い飲みはじめて2週間ぐらいで主人の体調が良くなり肩こりが和らいだと喜んでおりました。

8ヶ月ぐらいたったころから、私も冷え性でしたが、なんだか体が温かくなるのを感じ、生理も順調で基礎体温もとても規則正しくなって読みやすくなってきたころ授かりました。

信じられませんでした。その後も夫婦で健康維持のため飲み続けています。

こんな症状は子宮内膜症のサインかも

生理痛がひどくて寝込んでしまう

ねじれるような強い痛みや、針で刺されるような鋭い痛みを感じる人もいる。

腹痛と腰痛がつらくて、前かがみになって歩く。 トイレまで歩くのがつらくて、仕事を休むこともある。

生理以外にも重い下腹部痛がある

生理の出血が終わっても、下腹部が重苦しく、すっきりしない。 生理前後に痛みを感じたり、排卵日ごろに鈍痛があったりと、痛む時期には個人差がある。

排便のとき肛門の奥が痛い

排便でいきむたびに、肛門の奥のほうが激しく痛む。 便が腸を移動すると、しぶり腹のような強い痛みがある。排便しおえると、ホッとして力が抜ける。

排卵のころ下腹部が痛む

生理と生理の中間くらいの時期に、下腹部に強い痛みが生じ、そのあとしばらくは鈍痛が続く。 おなか全体に緊張感があって、ちょっとした刺激が気になることもある。

セックスのとき膣の奥が痛む

セックスのとき、思わず腰が引けるような強い痛みを腟の奥に生じる。

子宮内膜症は子宮内膜がほかの場所にできる病気

子宮内膜症は、本来子宮の内側だけにあるはずの子宮内膜が、子宮以外の場所にできて癒着が起きる病気です。

生理と同じように、ほかの場所にできた内膜が周期的に出血を繰り返します。

内膜症による炎症や出血が癒着につながるため、ひどい月経痛や排便痛、性交痛などの症状を引き起こし、不妊の原因になる場合もあります。

命にかかわる病気ではありませんが、生理があるかぎりつきあっていく必要があるため、婦人科での定期的な受診を欠かさないことが大切です。

子宮内膜症ができやすい場所は、おもに腹膜、卵巣、ダグラス窩の3ヵ所ですが、これら複数の場所に同時にできることも多くあります。
重症度と自覚症状が一致せず、個人差も大きいので、診断がむずかしい病気ともいえるでしょう。

●卵巣チョコレート嚢胞

大きくなると激痛が生じ、妊娠への影響も考えられる

卵巣に血液がたまって卵巣が腫れるので、超音波検査やMRIで診断されます。 7~8cm以上になると、まれに嚢胞の表面が破れて内容液が一部流れ出し、激痛を起こして緊急手術が必要になる場合があります。

また、卵管の周囲に癒着を起こしたり、嚢胞自体が排卵の妨げになることもあるため、妊娠への影響もあるといわれています。

●ダグラス窩深部病変

ひどい月経痛、排便痛、性交痛を起こしやすい

子宮と直腸の間のすきまにあるダグラス窩深部に、内膜症や癒着が起きるもの。

ひどい月経痛、排便痛や性交痛の原因になりますが、症状には個人差があり、この病変があってもあまり痛みを感じない人もいます。

通常の内診や超音波では見つけにくく、腹腔鏡検査で見つかる場合が多いのですが、直腸診(直腸から指を入れる)や特殊なMRIでも診断できます。

●腹膜病変

自覚症状がないことが多く不妊検査で偶然見つかる

骨盤内の臓器をおおっている腹膜に、斑点や発疹のような細かい病変ができるタイプで、子宮内膜症のなかではもっとも軽いものです。

内診などでは見つからず、腹腔鏡検査や開腹手術で偶然発見されます。

不妊と関係しているといわれたこともありますが、因果関係ははっきりしません。

腹腔鏡で見つかった場合は電気メスで焼くことがありますが、あえて治療する必要のない場合も多く、妊娠すれば自然に治ってしまうこともあります。

子宮内膜症の生活への影響

子宮内膜症は、激しい生理痛をはじめさまざまな痛みをもたらすため、日常生活に大きな影響を与えます。

痛みの原因ははっきりしないことも多いのですが、簡単にそのメカニズムを見ていきましょう。

●生理痛・下腹部痛

子宮の内側以外の場所にできた子宮内膜組織から生理のたびに出血し、骨盤内に癒着を起こします。

子宮周囲の癒着は生理痛を、卵巣周辺の癒着は排卵痛を、腸周辺の癒着は食後や排便時の下腹部痛を生じやすいといわれます。

●排便痛

ダグラス窩の深部病変で子宮と直腸が癒着すると、排便時に腸がぜん動運動をするたびに、肛門の奥にひきつれるような激しい痛みを感じます。

生理前は便秘がちになり、生理が始まると解消されることが多いので、生理痛と排便痛が重なってつらい人もいるようです。

●性交痛

ダグラス窩に病変ができると、挿入の激しい痛みを感じることも。

ピストン運動をされると振動が病変に伝わり、さらに激しく痛みます。

腟の入り口ではなく奥のほうが痛むのが特徴です。

●不妊

子宮内膜症との関係ではっきりしているのは、卵管周辺に癒着があって卵子がスムーズに卵管に取り込めない場合。 ただ、最近では、子宮内膜症の存在自体が卵巣機能を乱したり着床を妨げたりする可能性も指摘されています。

子宮内膜症の治療

生理のたびに進行するので、痛みは我慢せずに婦人科へ

子宮内膜症は、ほとんどの場合、閉経するまでは生理のたびに少しずつ進行する病気です。

痛いのをぎりぎりまで我慢していると、それだけでストレスになりますし、進行すると治療も大変になってきます。

一度も婦人科にかかったことのない人にとっては抵抗があるかもしれませんが、今は治療法の選択肢が増えて、手術以外にも痛みをコントロールする方法もいろいろあります。

ひとりで悩まずに早めに婦人科で相談しましょう。

すぐに妊娠を希望しないときは低用量ピルを

子宮内膜症の治療法を選ぶときの最大のポイントは、すぐに妊娠したいかどうか。

将来的には考えたいけれど、今は仕事や勉強を優先したい、パートナーが決まっていないので妊娠はまだ先という人も多いものです。

そういう場合の症状コントロールに最適なのは低用量ピル。

避妊薬として認可された薬ですが、排卵を抑えて子宮内膜を薄くする働きがあり、生理の量が減ったり、痛みが軽くなる場合が多いので、子宮内膜症の治療にも広く使われています。

早く妊娠したい人は手術を優先

早く妊娠したい人で4~5㎝以上の卵巣チョコレート嚢胞がある場合は、薬物療法に時間をかけるより手術を優先したほうがいいでしょう。

手術で病変を取り除き、妊娠の妨げになっている可能性のある癒着をはがします。

ただし、卵巣を温存する手術の場合は、時間がたてば再発するものと考えて、手術後はなるべく早く妊娠できるよう、医師やパートナーとよく相談しておくことが大切です。

卵巣チョコレート嚢胞か大きい場合は早めに手術を

すぐに妊娠の希望がなくても、早めに手術を考えたほうがよいのは、卵巣チョコレート嚢胞が5~6cmを超えている場合。

直径が7~8㎝以上になると、表面の膜が破れて中にたまった血液が流出し、激痛を起こすこともあり、注意が必要です。 その場合は緊急手術になるので、心の準備のないまま手術になるケースも。

緊急事態をまねく前に、医師と相談しながらスケジュールを考え、落ち着いた状態のときに手術を受けましょう。